必要なものは生活スタイルで変わる
掃除機は燃えないゴミだ。市指定のゴミ袋に入れば燃えないゴミ、入らなければ粗大ゴミになる。以前に捨てた電子レンジは粗大ゴミだった。粗大ゴミだから回収手続きを市役所で行った。
「電子レンジはゴミ袋に入りませんか?」と聞かれ、そこでようやく「袋に入れば燃えないゴミ扱いなんだ」と気がついた。
袋に入ればゴミ袋代だけで済むし、粗大ゴミであれば600円かかる。「ひょっとしたらゴミ袋に入るかも?」と思いながらも600円をケチったと思われたくなかったので粗大ゴミとして回収してもらった。
掃除機は数ヶ月前から燃えないゴミの袋に入れて部屋の片隅に放置していた。ゴミ袋には余裕があったので、ついでに捨てるものはないかと、靴やら工具やらを放り込んでおいた。先日外したカーテンレールも折り曲げて袋に入れておいた。
数ヶ月たってもそのどれも袋から取り出すことはなかった。すでに僕のうちにはそれらはないことになっていた。
ガラスを割ってしまったときに掃除機で後片付けをしようかと一瞬考えたが、ガムテープでペタペタと粗方の破片をとったあとはクイックルワイパーでサッと一拭きしたらそれで事足りた。そのクイックルワイパーでさえ、今ではその出番がほとんどない。
代わって主役の場に躍り出たのは雑巾である。あるブログを読んだときのことだ。そのブログには「うちには雑巾なんて必要ありません。クイックルワイパーがあればじゅうぶん」なんて書かれていて僕は少し悲しかった。
タオルとしての役目を終えても、それを雑巾として活躍させればとってもエコなのにと僕は思うのだが、そのブログの方の考えは違っていた。雑巾を使えば、バケツが必要になるし、毎回水も必要になると主張されていた。
もっともだ。バケツというものがひとつ増える。僕は掃除以外でもそのバケツを使用するから邪魔だと思ったことはなかった。しかしバケツを使わない生活をしていれば、それは確かに邪魔だろう。
なにが最適かなんてその人の生活スタイル、考え方で変わってくるものだ。掃除機だってそうだ。多くの人には役に立つものだからこれだけ世の中に広まったのだ。
時間の節約にもなるし、雑巾がけで疲れることもない。冬は水が冷たいし、膝の悪い人は床に這いつくばるのもつらいだろう。
僕は時間には余裕があるし、雑巾がけを運動の一環だと思っているので苦にはならない。掃除機よりも綺麗になる気がするし、なによりも「掃除してやったぜ」という達成感が心地よい。なにに重点を置くか。人によって違うのね。