ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

噛み合わない会話。変わってしまったのは誰なのだろう?

上司

「なんのために毎日会社に行ってるんだろうなぁ」と思うことがある。あまり深く考え込むと惰性で毎日を過ごしていることに気がついてしまうから考えないようにしている。

 

「お腹が痛いから今日は会社に行きたくないな」とか子どもみたいなことを思ったりもする。本当になにか悪いものを食べてお腹が痛いのか、会社に行かなくてすむ理由を体が表現してくれているのか。お腹が痛いことだけは事実だ。

 

僕は今の上司と相性が悪い。5年前の上司とは相性がよかった。よく話を聞いてくれる人だった。こちらがなにかを話そうとして、ふっと息をのむ瞬間に上司はそれを察し僕に話をさせてくれた。それが今はどうだ。一方的に話を押しつけてくる。こちらがなにかを話そうとしても、そんなことはお構いなしに話し続ける。

 

「そうではないと思うんですよね。問題があるのはうちのチームじゃないですか?」

 

「いや、そんなことはない。うちのチームはちゃんとやってる。問題はない」

 

常になにかを誤魔化されている気がする。理にかなった受け答えをするわけでもなく、ただただ「問題はない。」と言い張る。なにが問題なのかを考えようともしないし、聞こうともしない。話をしても伝わっている気がしない。伝え方が悪いのだろうか?僕の熱量が足りないのだろうか?上司以外の人間と話をすれば、面白いくらいに意見が一致するので、僕の考えは全く見当違いというわけでもなさそうだ。

 

ちなみに今の上司と5年前の上司は同一人物である。上司が変わったのか。僕が変わったのか。

 

「僕自身はなにも変わったつもりはないんだけどなぁ」

 

上司は僕にこう言った。自分のことは自分がいちばんわかってないし、見えていないのだと思う。今、自分がどんな顔をして話をしているのかなんて自分ではわからない。相手にはよくわかる。愛想よく話しているつもりでも目が笑っていない。笑顔が引きつっている。どこか馬鹿にしたような態度をとっている。目が泳いでいる。

 

「あ、今、話ごまかしたな」とか「今、ウソついたな」とかがわかる瞬間がある。一瞬の間?空気感?表情?言葉使い?そんなものがごちゃごちゃっと塊になったときにウソを感じてしまう。どこか話の辻褄があわないんだ。違和感に包まれる会話。

 

ウソをついてるのは自分かもしれない。自分でも気がついていないだけかもしれない。相手を悪者にして自分を正当化しているだけかもしれない。自分のことは自分がいちばんわかってないから、いちばん問題があるのは僕なのかもしれない。それに気がつかないように僕は今日もぼんやりと過ごす。