ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

トランクひとつで各地を転々とすることを夢みる

セミリタイア

仕事を辞めたら定住せずに各地を転々としたいという思いがある。

 

僕はその昔、自由すぎるRPGをやって、とても戸惑ったことがあった。

 

「さて、なにをすればいいのだろう?」

 

ゲームがはじまっても王様から命令もされないし、村人から助けを請われることもない。とりあえず村を出て敵と戦ってみるのだが、なんのために戦うのだかがわからない。

 

全てを自由にしていいといわれると、ほとほと困るのだ。 仕事をやめるとまさにこの状況に陥る。そんな毎日は退屈すぎてどうにかなってしまうのではないかと思う。

 

今のこの地に定住するということは生活のほぼ全てが安定しているということになる。周辺の人間関係は変わらない。行くお店は限られる。乗る路線もかわらない。生活のだいたいのことがわかってしまうと刺激がない。

 

だからといって自分で新たな事業をはじめるとか新たな人間関係を築くとかそんな面倒なことはしたくない。リスクもおいたくない。

 

だったらどうするか。日常をそのまま変えてしまえばいいのだ。日常をそのまま変えるにはどうしたらいいか。住む場所を変えるのだ。

 

そのためには今の仕事を辞めなければいけない。今更辞める勇気などない。こんな生温い環境を手放すなんてもったいない。

 

仕事を辞めなければ、各地を転々とするのは定年後になる。ずいぶんと先の話だ。だが、あっという間の未来の話だ。

 

住む部屋がかわり、行くお店が変わる。乗る電車もかわる。見える景色がかわる。そこで新たな人間関係が生まれるかもしれない。その関係は浅くて結構。新しいなにかが生まれる可能性はじゅうぶんにある。

 

ホテル暮らしをするのもいいだろうし、民泊を利用する手もある。これから先にはもっと新しいサービスが出てくるかもしれない。

 

海辺に住むのもいいだろう。雪で閉ざされたひと冬を過ごすのもいいだろう。

 

そんな自由気ままな生活を送るためには、健康でいなくてはいけない。この国で普通に生活をしていたら、どうしても不健康になってしまうので気をつけなければいけない。全ては自分のためだ。頑張れる。

 

もうひとつ大事なことがある。身軽になることだ。荷物が多すぎると動くのが大変になる。トランクひとつで、というのは僕には無理そうだから、せめてトランク三つ分くらいまでには減らしたい。 

 

現実的にはまだまだクリアしなければいけない問題は多い。が、考えていると楽しい。多くの人は将来を考えると不安だという。不安だ思えば思うほど、それは増す。だから楽しいことを考えるべきなのだ。楽しさも同様に増していくのだから。