ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

ダサい残暑見舞いを書いてしまった2016年夏

暑中

盆休みの間に小学二年生の甥から暑中見舞いが届いていた。学校の授業で書いたのだろうと思う。彼らにはすでにおじいちゃんもおばあちゃんもいない。だから僕がその相手に選ばれたのだと思う。うれしいよね。ハガキ一枚がこんなにうれしいものだなんて。数年前にも同じように姪から暑中見舞いが届いたことがある。その時はお礼の電話をした。

 

「あ、届いた?今ね、みんなで花火やってて忙しいから」

 

電話は早々に切られたが、僕はひとことお礼が言えればそれでよかった。今回もお礼の電話をしようと思ったのだが、ふと思った。

 

「まてよ、返事はハガキでするべきだな」

 

お盆を過ぎた今の時期に出すのは残暑見舞いになる。ハガキを書くだなんて何年ぶりのことだろう。彼らは三人兄弟だから三人宛に送ることにしよう。僕も気使うよね。みんな平等にしとかないとね。

 

悩む残暑見舞い

僕のうちにはボールペンか筆ペンしかない。筆ペンは香典を出すときに必要になる。香典袋にボールペンで書いたのではありがたみが半減する。残暑見舞いはどうしよう。筆ペンで書けばかっこいいかもしれないが自信がない。無難にボールペンにしておこう。ボールペンにしたところで間違えたら消せやしないから気を付けよう。

 

暑中お見舞い申し上げます

 

三枚のハガキにまずはそれだけを書いた。書き終えたところで気がついた。

 

「あー、残暑見舞いだった」

 

「暑中」に横線を引いて「残暑」と訂正する。「ダサッ」という彼らの声が聞こえてきそう。

 

長男はサッカーをしているので「サッカーがんばれ!」と書いた。それだけでは空白が持たなかったのでサッカーボールの絵を書いた。自分で書いたそのサッカーボールにとてつもない違和感を感じる。なんか違うような・・・?サッカーボールの黒い部分は本来五角形。僕が書いたそれは四角形になっている。「ごめん、間違えた」とお詫びを書き添えた。

サッカーボール

続いて姪宛て。さて、どうしよう。しばらく考えたのだが思い浮かばない。あの子は賢いから無難なハガキでは許してくれないだろう。結果、ハガキ一面にセミのイラストをデカデカと書いた。なぜセミかって?今日も僕のうちではセミが大音量で鳴いていたからさ。セミのイラストだけではあまりにも素っ気なかったので結局「夏バテしないように」という無難な言葉を書き添えた。

セミ

今回、ハガキをくれた末っ子には、そのお礼を書いておこう。

 

暑中見舞いのハガキありがとう

 

この次が続かない。改めて言葉を送ろうとすると悩むね。メールのようにはいかない。小2の彼にふさわしい言葉はないだろうか。

 

人先はあっという間だから毎日を大切にしなさいね

 

果たして小2の彼に人生のはかなさが理解できるだろうか。ってか、ちょっと待って。「人生」と書かなきゃいけないところを「人先」と書いてしまった。また訂正。

カキ氷

総じてダサいハガキとなってしまった。反省の残暑。