ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

「脳には妙なクセがある」の感想

脳には妙なクセがある

脳のクセ。自分とはなんでしょう?生きる意味ってなんでしょう?よりよく生きるとは?それを達成するために脳科学の観点から語った一冊です。

 

脳の衰えを錯覚する

脳が老化するから読書ができなくなるのではない。むしろ体力の衰えがそれに影響している。目が疲れる。長時間同じ体勢でいるのがつらい。など。言いかえれば、適度な運動による体力維持が大切だということ。

 

他人の不幸を気持ちよく感じてしまう脳

他人の不幸により「側坐核」が活動する。側坐核は快感を生み出す脳部位。いわゆる報酬系。他人の不幸は自分にとっての報酬だということになる。そういうふうにできているのだから仕方がない。

 

もったいないという気持ち

「もったいない」という感情は「同情回路」から生まれる。「同情回路」は「気の毒に」という哀れみの感情。モノが捨てられないのは、モノに対する同情心からくる。モノを擬人化し、その痛みを脳に投影する精神活動。

 

オキシトシンを投与するとどうなるか

オキシトシンは闘争欲や遁走欲をほぐし、恐怖への感受性を減らすホルモン。これを人に投与すると相手の言葉を信じきってしまう。洗脳にはうってつけ。

 

脳には妙なクセがある

 

後知恵バイアス

「だから言ったじゃないか」「やっぱりそうだと思った」という後出しジャンケン的な考え。「あのとき、ああしておけばよかった」という後悔の念もこれの一種。

 

有機栽培というブランド

昔ながらの農法や農薬を使わない自然派野菜が優れているとは限らない。ブランド価値を無意味に高めることに意味はない。自分基準をしっかりすべき。

 

プレゼンの決め手

文字や言葉だけの説明よりも映像のほうが説得度が増す。人は映像的説明に弱い生き物。テレビコマーシャルの影響は大きい。

 

なぜ人のモノを盗まないのか?

他人の所有物を盗んでもよいとすると、自分のモノも盗まれる可能性が高くなるから。結局は自分のために人のモノを盗まないということになる。人を殺してはいけないのも同様。

 

脳には妙なクセがある

 

コミュニケーションの最強の武器

「笑顔」は感染する。赤ちゃんに微笑みかけると、笑顔で返してくるのがそれ。笑顔を作るから楽しいという逆因果の効果もある。笑顔は人を不快にさせない。恐怖への準備は、恐怖の感情そのものではなく、恐怖の表情を作ることによってそのスイッチが入る。

 

コーヒーの香りを嗅ぐとどうなるか?

人は親切になる。コーヒー屋の近くでモノを落とすと、見知らぬ人がそれを拾ってくれたり、両替を快く引き受けてくれたりする確立が高くなる。香りは脳に直接届く。

 

幸福感は年齢とともにどう変化するか?

20歳以前まで高かった幸福度は40代から50代前半頃で最低迷期となる。人生のピークは老年期。ただし、老人性うつには注意。これは薬治療で治る率が高い。ストレスや不安、怒りは若い頃が一番強い。悲しみはどの年代も変わらない。

 

悪しき感情が減っていく

悪しき感情が減るのは一見よさそうだが、リスク管理能力という意味では要注意。高齢者が詐欺にあいやすいのはこのためか。

 

酒が好き

アルコールは脳の報酬系を活性化し、多幸感、習慣性を引き起こす。元来アルコールは不快なものであるが、学習と経験を通じて克服し、嗜好癖を獲得する。

 

脳には妙なクセがある

 

「気合い」「根性」の有用性

応援は効果がある。励まされればやる気がでるのは科学的にも証明されつつある。

 

意識と無意識

自分の行動の80%以上はおきまりの習慣に従っている。意識上では自由に行動しているつもりでも、現実には本人でさえ自覚できないような行動のクセにより、活動パターンが常同化している。意思は脳から生まれない。周囲の環境と身体の状況で決まる。 意識と無意識は乖離している。そして、無意識の自分こそが真の姿である。

 

眠たがる

就寝前が記憶のゴールデンアワー。睡眠の役割のひとつは「記憶の整序と固定化」にある。 睡眠の効果を利用するには朝ではなく、夜に習得したほうがよい、

 

脳には妙なクセがある

 

神について 

人は生まれながらにして神を感じる脳回路を持っている。それはこめかみよりも少し後ろ、側頭葉に相当する部分。てんかん患者は宗教的経験をする人が多い。

 

催眠術について

催眠は魔術でも手品でもない。脳の現象であり、人工認知症ともいえる。催眠にかかると想起力が低下する。

 

自分という存在とは

頭頂葉の下部を麻痺させると、写真に写った顔が自分なのか他人なのかの区別ができなくなる。自分という存在は、脳内の時空の中で創作されていることが想像できる。

 

幽体離脱の脳回路

左側の側頭、頭頂接合部を刺激するとそこに誰かがいる気配を感じる。その気配は当人そのものであり、心はそのままに体の位置が背後にテレポートしている。右側の頭頂葉の角回を刺激すると幽体離脱が生じる。これはよくあること。他者の視点で自分を眺めることは大切。

 

瞑想する

仏教の修行僧は瞑想をはじめるとすぐにガンマ派が現れる。ガンマ派は注意力や集中力に関係するもの。ベテラン僧になると集中力に必要な脳部位を活性化させずにガンマ派を生み出すことができる。スムーズに瞑想状態に入れるということ。邪念なき自然体。

 

心は脳回路にいける身体性の省略

脳にとって身体は大切な乗り物。情報を発生させ、情報を集約するための基盤。脳が進化したとき、身体を省略することができる。人の心の実体は、脳回路を身体性から開放した産物である。

 

脳はなんのために存在するか?

脳は外界の情報を処理して適切な運動を起こす入出力変換装置。身体や行動に起因する抽象ラベルを貼り間違えてはいけない。思い込みはいけないということ。

 

心はどこにあるのか?

精神と身体は切り離して考えることはできない。心は脳にあるのではない。身体や環境に散在する。

 

 何事もはじめたら半分は終了

入力と出力どちらが大切かと問われれば後者。感覚ではなく行動が必要。入力された情報をどれだけ使ったかということが大切。