ひかり電話の解約(休止)前にまずは名義変更をする
僕は未だに自宅に固定電話の番号を持っている。NTTのひかり電話で月額500円。使っていないというよりも電話機をつけていないので使えない。さすがに無駄だと思い、意を決して解約に臨んだ。しかし解約の方法というのはわかりづらい。NTTのサイトを見てもよくわからないのでメールで問い合わせをした。
その翌日から携帯電話に何度もフリーダイヤルの着信があった。仕事中にわざわざでるほどでもない。すると、しつこいくらいに電話がかかる。仕事のスキをみて電話にでると、相手はNTTだった。
「先日お問い合わせいただきました件で」
メールで問い合わせたんだからメールで返せよな。こっちだって都合があるんだ。電話でのやりとりも実に面倒。本人確認としてあれこれと情報を聞き出すのだ。
フルネームは?
漢字はどう書く?
住所は?
電話番号は?
天下のNTT様が未だにこんな古典的な確認方法をとるだなんて。まあ、担当者はマニュアル通りに対応しているだけだろう。担当者も馬鹿らしいと思っているかもしれない。大企業故に変えられないルール。
「ご契約者様はお亡くなりになられているんですか。では、まずは名義変更が必要になります。その後に解約という手続きになります」
固定電話の契約者は父親のままだった。契約者を僕に変えなきゃいけないと思っていたのだが、これも変え方がよくわからず。特に不自由でもなかったので今日まで放置していたのだ。固定電話の名義変更は簡単にはいかないらしい。
役所に行って戸籍謄本を取ってこいという。固定電話は一昔前は立派な資産だったからね。電話加入権といって、その権利がチケット屋などで売買されていた記憶がある。売買価格は四万〜六万円程度だったと思う。平成二十九年の今現在ではその価値はほぼないはず。
そんな価値のないものに手間をとられるだなんて。しかし、これを行わないと解約はできない。先程から「解約」と言っているが正確には「休止」となる。必要になれば復活させることはできるが電話番号は変わる。きっと復活させることはないから実質の解約だ。
「来週には書類をお届けします。その頃にもう一度お電話を差し上げます。書類の書き方をご説明しますので」
書類を手元に用意し電話を受けろというのだ。親切なのだか大きなお世話なのだか。わかりやすいように書類に説明書きをつけてくれたらそれでいいよ。そもそもそんなわかりにくい書類にしないでよ。これも大企業のマニュアル通りの対応なのだろうか。
そして後日の昼休み。約束通りに電話はかかってきた。言われるがままに記入する。丁寧に説明をしてくれる。「市役所などに足を運んでいただくようになり大変ご面倒をおかけしますが」という電話の向こうの彼。いやいや、面倒をかけているのは僕だから。二度目の会話になぜか親しみを感じている僕だった。
とりあえず必要書類は郵送したので、三〜四週間後には名義変更の手続きは完了するはず。 その後にひかり電話の休止手続きとなる。道は長い。