ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

宅配便問題に対応したつもりが、悲しい結果に

宅配便

宅配便問題。配達する荷物が多くてドライバーさんは大変だというニュースをよく聞くようになった。細かい時間指定。再配達の多さ。

 

僕もネットで買い物をすることは多い。買いたいものはすぐに見つかるし、実店舗で買うよりもたいていの場合、安い。ある程度のモノをまとめて買えば送料無料になることも多い。だとすれば、ネット通販を使わない手はない。

 

だけども、この宅配便問題を聞いてからは、それを利用するのが訳ないように重い気が引けていた。宅配業者が大変だということ知っていて、それでも宅配便を利用する無神経な人間だと思われたくない。いやいや、そんなことを僕が気にする必要はない。宅配便を利用する人が減れば、それはそれで困るだろう。

 

「荷物をまとめて送ってもらえばよくね?」

 

僕は買いたいモノがいくつかあった。定期的に買っているドリップコーヒーは底をついてきた。ヘアワックスも残りが少なくなってきている。毎朝、食べるアーモンドやパン作りのための小麦粉もあとわずか。

 

 

これらを時間指定して同じ日、同じ時間帯に送ってもらえればドライバーさんの負担も少なくてすむと考えたわけだ。僕自身の受取りの手間も減る。我ながらいいアイデア。急いで送ってもらわなくても大丈夫だし、余裕を持って注文をすればこういう対応もできる。 

 

そして宅配当日。指定した時間の午前中。届いた荷物は二つだった。あれ?ひとつ少ないぞ?荷物がふたつに別れてしまったのか。別のドライバーさんがもうひとつ持っているのか。

 

しかし、午前中を過ぎても荷物は届かない。ネットで荷物の追跡を行うと「時間指定(保管中)」となっている。

 

まあ、いいや。出かける用事があるから保管されているはずの配送センターに直接行ってみよう。受付の女性に配達番号と未だここに僕の荷物が眠っているはずだという旨を伝える。

 

「すぐにお調べします」と対応してくれるボーイズラブ系の漫画が好きそうな腐女子。その横で「時間変更になってるんじゃないの?」「本当にここにあるの?」と疑っている悪役女子プロレスラーみたいな化粧をした女性。「探すの手伝ってください」と悪女に伝えるも手伝う様子はない。ふたりの人間関係が見え隠れする。大変なんだろうなぁ。

 

「すみませーん。別の日の棚に置いてありました」

 

いかにも申し訳なさそうに頭を下げながら腐女子は僕の荷物を持ってきれくれた。「二度とこんなことがないように致しますので」いやいや、いいよ。きっと現場は大変なんだろうからさ。山ほどの荷物を毎日扱っているんだろうから、ひとつやふたつミスがあったって仕方がないよ。それがたまたま僕の荷物だっただけだ。

 

以前の僕なら怒り心頭だったはずだが、最近の僕はこういうのが許せるようになってきている。

 

「時給850円くらいでクレーム対応なんてことまでしたくはなかろう」   僕は単に上から目線でいるだけ。決して心優しい人なんかではない。だけども、それで人にやさしくできるのだから、それはそれでいいじゃないか。