ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

社宅の冷蔵庫

冷蔵庫

僕はいま、期間限定で社宅を使わせてもらっている。この部屋に入ったのが6月の半ば。梅雨の時期だった。雨なんてほとんどふっていなかったけれど。

 

それからしばらくして梅雨が明けた。え?もう梅雨明け?なんて誰もがいうくらいに早い梅雨明けだった。朝晩はまだひんやりしていた。

 

そして夏がきて、暑くなった。今の職場でもエアコンはガンガンに効かせていて、僕はこの職場でもクーラーの風が直接当たる場所で仕事をしている。あぁ、僕は今年もクーラー病で悩まされるのか。

 

www.a-s-blog.com

 

そして、僕にはもうひとつ悩みごとがある。社宅にある冷蔵庫がまるで冷えないのだ。外気温の上昇とともにやる気をなくす冷蔵庫。

 

「暑くてやってらんねぇ」

 

きっと冷蔵庫はそう思っている。

 

冷蔵庫のやる気がないのは困る。冷凍されずにブルーベリーがべちゃべちゃになってしまっているからだ。

 

冷蔵庫の気持ちもわかる。外は暑いのにそれに反して、冷え冷えにしなきゃいけないのだから、相当がんばらないといけないだろう。しかも、この冷蔵庫は1989年製。なんと今から約30年前!人間の年齢に換算すると還暦をとっくに超えている歳だから、現役で活躍するのはもう限界なのだろう。

 

ブルーベリーはなにかと体にいいので、毎朝、ヨーグルトに混ぜて食べている。残念ながら近所のスーパーでは生のブルーベリーは取り扱ってないので、カルディコーヒーファームで冷凍のそれをまとめ買いしているのだ。

 

「冷凍しておけば、それなりに日持ちするから、まとめ買いしておいても大丈夫だろう」と高を括っていたのがまずかった。ブルーベリーは日を追うごとに半生状態になっていった。

 

この状態であと二か月近くも生活するのは困難だ。僕は新しい冷蔵庫を手に入れることを試みた。

 

まず選択肢として考えたのが、家電レンタル。二か月のためにそれを買うのはバカらしい。なにより手放すときのことを考えると迂闊には買えない。

 

でもさぁ、家電レンタルのWEBサイトってどうしてああも胡散臭いの?実際にはどこも良心的な業者なんだろうけど、サイトの作りがどうにもきな臭い。

 

買うことも視野に入れるか。この部屋は僕みたいな短期滞在者のための部屋で、普通に生活できるようにある程度のモノは備え付けられている。だから、僕が冷蔵庫を買ったとしても次の滞在者用にそのまま置いておけばいい。

 

なんて思って、朝から楽天やらAmazonやらを検索して回る。どうせ二か月なんだから適当に安いものを選択すればいいのだろうけど、気持ち的にそうもいかない。どうせ買うんなら、それなりのものを買いたいと悩んでしまう。

 

うーん、でもまてよ。一度会社に相談してみてはどうだろう?ひょっとするとこの冷蔵庫は会社の持ち物かもしれない。仮に僕が新しい冷蔵庫を買ったとして、それを退去後も置いといていいかも確認しなきゃいけない。

 

「会社の予算で買いますよ。どうせ必要なものだし、アズさんが自腹を切ることはない」

 

総務に相談したら、あっさりそう言われた。なんだ最初から相談すればよかった。悩むことなんてなかった。

 

でも、僕が自分で冷蔵庫を買わないといけないと思っていた理由はある。今回の短期滞在のためにそれなりの支度金をいただいていたからだ。そのお金で生活を整えなさいというのが支度金なのだから、冷蔵庫も当然自分で準備しないといけないと思っていた。

 

なんだか申し訳ない。お金ももらって、冷蔵庫まで買ってもらって、いたせりつくせりの状態。そのうえ、毎日毎日、なんとか手当までもらえている。その手当は土日の休みの日にもつく。

 

こういうのを「利権」というのであって、僕はそれのおかげでウハウハである。