ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

今年買いたかったけど買わなかったもの

今年買いたかったけど買わなかったものがある。どうしても買いたかったけど我慢していたわけではない。それがなくても日常生活に不便はない。そういったものは大抵の場合、買うことで気持ちが満たされ、その後使用は頻度は極端に減ることを僕は知っている。僕が欲しいと思っているものもきっとそのような類のものであろうと思う。

 

電動歯ブラシ。スマホのアプリと連動させて磨き残しがないかをチェックしてくれる電動歯ブラシがあるらしい。3万円を超える値段だったと思う。

 

歯の健康のためと理由つければ購入のきっかけにはなるかもしれない。歯は大切にしたいし実際、手で磨くことよりも効果は抜群に高いのだと思う。戸惑っているのはただひとつ。形状が普通の歯ブラシに比べてひとまわり大きいのだ。その大きさが気に食わない。

 

アプリへの連動に関しても果たしてそんな面倒なチェックをするだろうかとの疑問が残る。実際、僕はパソコンでデータ管理できる体組成計を持っているのだが、それを行っていたのは最初の数カ月だけだった。毎日体重を測っていれば、その数値は頭の中に入ってくるから、わざわざパソコンにデータを取り込んで体重管理をする必要がなかったのだ。歯磨きチェックに関してもそれと同じことにならないだろうかと疑問が残る。

 

コーヒーミル。3年くらい前だっただろうか。会社の後輩がすごく香りのいいコーヒーを飲んでいたので聞いてみたところ、

 

「毎朝、自分でコーヒー豆を引いているんですよね」

 

と言われてからコーヒーミルにとても興味を持っていた。僕は毎日かかさずコーヒーを飲むのだし、豆を引くということにこだわりを持ってみてもいいんじゃないのだろうか、と。

 

そこで悩むのが電動か手で引くか、だ。電動の方が時間がかからなくていいが風情がない。時間をかけてコーヒー豆を手で引くほど朝は暇じゃない。実に悩ましい。悩んだ結果、それを買わずに今年も終わろうとしている。

 

キャンプ用品。これはとても欲しいと思っているわけではなくて、知り合いと話をしていたときに「キャンプでもはじめてみるかなぁ」と思ったのがきっかけ。でも、キャンプ用品を揃えるということは少ないモノで暮らすというライフスタイルからはかけはなれてしまうわけで。

 

テントに寝袋、調理器具、アウトドア用の服と考えだしたらきりがない。調理器具などは普段使っているものをそのままキャンプ用として使えばいいような気もするけど、野外で食器をカチャカチャと洗うのもなんだか違うような気がする。

 

普段僕が着ている服は、どちらかといえば細身でキレイめ系なのでアウトドアとはかけ離れている。こんな動きにくい服装で野外活動なんてできるはずもない。かといって細身系ファッションを捨てて、アウトドア系ファッションにすることもはばかられる。

 

ドローン。キャンプの件もそうなんだけど、ドローンに関しても「なにか趣味を」と考えた結果の所有欲だった。趣味を持とうと考えたときにカイトやドローンといった空を飛ぶ系のものに興味を惹かれたのだ。だからドローンでなくてもカイトでもいい。

 

でも、果たしてそれが趣味として続くだろうか。趣味っていうのは考えて持つものではなくて、好きで興味を持って気がついたら継続してそれが自分のライフスタイルの一部になっているものだと思うのだ。頭で考えた趣味が続くはずもない。

 

興味があるライフスタイルといったらモノを持たないということなので、僕に適切な趣味がなかなか見つからない。唯一あるとすれば、それは旅だろうか。自分の生活の一部をカバンに詰め込んで日常の外に足を運ぶ。それを考えたら今でもワクワクする。究極的にはカバンに詰め込んだそのモノが僕の生活のすべてになれば最高だ。