ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

年末年始のお伊勢参り

「そうだ、年末はお伊勢参りに行こう!」と決めたのは11月末のこと。ちょうどこの時期に仕事をやらかしちゃったんだよね。久しぶりに凹んだね。上司へも迷惑かけちゃったし。

 

「やってしまったことは仕方がない。もう二度と同じ間違いをしなければいいだけだから、そんなに気にしないでくださいね」

 

とメールをくれたのは迷惑をかけてしまった僕の上司。こんなメールをくれるような人だとは思ってなかったし、なによりメールの最後の「ね」がやさしさを醸し出していた。「ね」なんてつけてメールくれるような人じゃないと思っていたのに。

 

そんなこんなで、この気持ちを払拭するには伊勢にお参りするしかないと思ってしまったのです。伊勢で厄払いだ!

 

紀伊半島ってわざわざ行こうと思わないと行かないじゃないですか。新幹線も通ってないし。だから、伊勢に行こう!と思ったその瞬間の気持ちを大切にしたかったんですね。きっとこれもなにかの縁。

 

お伊勢参りをしようと思ったもう一つのかすかな思いというのがありまして。僕はとく歌舞伎を観るんですけど、お伊勢参りの場面は結構出てくるんですね。東海道中なんちゃらなんてまさにそのお話だし。

 

実際に内宮を回っているときに「あぁ、この風景は歌舞伎の舞台みたいだ」なんて思いましたし。旅のきっかけが舞台や映画で見た光景っていうのも粋でいいじゃないですか。

 

交通機関が発達していなかった時代には皆さん歩いてお伊勢参りをしていたんですよね。僕は今回は伊勢市駅前から内宮まで路線バスで行こうとしていたのですが…。

 

年末だからってこともあったのでしょうか。内宮までの道のりはえらく渋滞でして。10分くらいは順調に走ったでしょうか。それからあとは全く動かない。

 

「歩いたほうが早いんじゃない?」

「どうする?次のバス停で降りる?」

 

バスに乗車していたまわりの人がヒソヒソと相談をはじめています。

 

「他に降りるお客さんはいませんか?相当時間かかると思いますよ?」

 

バスの運転手の言葉に僕は途中下車しました。昔の人もてくてくと歩いてお伊勢参りをしたのだし、僕も頑張って歩くか、と。

 

帰り道もそんな感じでしたね。一応最寄りのバス停に並んではみたもののバスは一向にくる気配はない。列に並んでいた人は次々に抜けていく。「こりゃあ待っていても仕方がない」と帰りも歩くことにする。

 

肝心のお伊勢参りですがね、年末よりも少し早い時期(12月29日)だから、そんなに人もいないだろうなんて思っていたんですけどね、いやあ、結構な人がいましたな。みんな仕事でやらかしてしまったに違いない。

 

そんな状況だから、僕は足早にお参りをすませて内宮をあとにしました。参拝コースとしては60分、90分コースとあるみたいだけど、僕は40分くらいで回りましたかね。それでも一通りお参りすることはできました。

 

帰り道はおかげ横丁を抜けて。この辺りは17時頃にはお店が閉まってしまうようで、時間的にどこのお店にも入れないかなぁなんて思っていましたけど、足早のお参りのおかげで伊勢うどんを頂くことができました。早速、お参りの効果がここに!

 

そのままおかげ横丁を抜けて、てくてくと歩いて五十鈴川駅まで。伊勢市駅まで歩こうと思っていたのだけど調べると、ここから更に30分くらい歩くことになるので断念。近鉄の電車に揺られて伊勢市駅まで。

 

当初の予定だと今日は外宮を簡単に歩いて、明日の早朝から内宮に行く予定だったんですけど、天気予報は明日の午前中だけ雨。なので急遽予定を替えて今日の内宮参りとなりました。

 

明日、雨が降っていなかったら外宮に行こうと思います。