ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

システム管理者を困らせる現場の声

考える

システム導入の説明会を開くと決まってこういう声があがる。

 

「間違えてデータ消してしまう可能性もありますよね?」

 

「人が間違えて誤操作しないようにシステム側で制御できるんですか?」

 

確かに可能性はある。ゼロではない。でもな、そんなこと知るかよ。間違えないように自分で注意しろよ。

 

コンピュータを使ったシステムだから万能で間違いなくできるわけじゃない。じゃあ今まで通り紙で管理するか?人が手書きで対応するか?間違えて書類をシュレッダーにかけたらどうするんだ?書き間違えた重要書類を顧客先に送ってしまったらどうするんだ?間違えて違う電車に乗ってしまったらどうする?間違えて違う会社に行ってしまったらどうする?間違った人生を歩んでいたら?子どもの頃に思い描いていた人生と違っていたら?

 

そんなことが言いたいのではない。わずかな可能性を想定してそれをシステム側で制御するよりも、それを使う人間が間違えないように意識して操作するという方が何倍も効果的なのだ。デジタルだろうがアナログだろうが、結局それを利用するのは人であって、人間だからミスをする可能性は大いにありうる。もちろん、できるだけ誤操作が起きないようなシステム作りをするのだが、それでも人は想定外の誤操作をする。

 

たいていの場合は単純ミス。登録ボタンを押すつもりが削除ボタンを押してしまう。「削除してもよろしいですか?」という確認メッセージを出しているのにうっかり「Yes」を押す場合もある。「消していいかと聞かれてYesって答えたのはあなたですよね?あなた自身の確認ミスですよね?」と攻め立ててやりたいことはよくある。そんなことを言っても仕方がないから「忙しいと間違えますよね」などと宥めながら復旧作業を行う。データを消してしまったのは紛れもなく本人なのに、なぜかシステムのせいにする人間もいる。人のせいにしちゃいかんよ。

 

まあ、そうはいってもたまには間違えてしまうのが人間だ。仕方がない面もある。僕だって間違うことはあるし。調子が悪い日もあろう。飲み過ぎて頭が回らないこともあろう。ひとつの恋が終わった直後なんてまるで仕事が手につかない。あなたの気持ちもわかるから僕が間違えた時にも責めないでねっていう話です。