ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

地球投五郎宇宙荒事 & 新・水滸伝

地球投五郎宇宙荒事

歌舞伎を観てきました。どちらも現代風にアレンジされた歌舞伎です。

  

地球投五郎宇宙荒事

正直な感想。わたしには宮藤官九郎の歌舞伎は合わない。獅堂も無理。YouTubeで宣伝動画を見た時から期待はしていなかったんですけどね。クドカンの歌舞伎が無理だと最初に思ったのは、シネマ歌舞伎「大江戸りびんぐでっど」を観たときでした。笑いに品がないんですよね。中2発想的な笑いというか。今回もそう。安直すぎる笑いのセンス。「さあ、笑えよ。このくらいのギャグ言っときゃ笑えるだろう?」って感じがね、無理なのですよ。あとね、獅童さんの演技の仕方も苦手。「学芸会か!」って思ってしまうんですよね。最近の海老蔵もなんだか生き急いでいるなぁと思います。短命家系ですからね。やりたいことをやれるうちにやっておこうという感じなのでしょうか。海老蔵はもっと古典を大事にやったらいいと思うんですけどね。

 

でも、客席は沸いていたし、あれくらいわかりやすい歌舞伎じゃないと受け入れられにくいのかな。夏休みということもあってか、いつもよりも子どもさんの姿も多く見られました。まずは歌舞伎を観てもらうという目的においては成功なんだと思います。

 

新・水滸伝

ごひいきの澤瀉屋。二十一世紀歌舞伎組による新・水滸伝。個人的にはこちらを観て頂きたい。料金も普通の歌舞伎よりかなりお安めです。公演後のトークショーでも言ってましたが、3階席なんて学割で1500円らしいです。映画よりも安く歌舞伎が観れるわけです。

新・水滸伝

梁山泊に集まった人々が腐敗した官僚政治に立ち向かうという話です。三代目猿之助歌舞伎が凝縮されたお芝居です。ケレンもたっぷりで、スピード感もあります。今回は一階席で観たんですけど、一階席で観ると、劇場全体が一目では見渡せないんで、あっちこっち目で追うようになるんですね。話の展開が早いものですから、追いつくのに必死です。寝るヒマなんてないです。

 

公演日によってはアフタートークショーがあります。わたしが行ったときは、市川右近、市川弘太郎のおふたりでした。弘太郎さんはスーパー歌舞伎に出演していた右近さんをみて、右近さんに憧れて歌舞伎役者になったんだそうです。凄いですよね、憧れていた人と同じ舞台に立てるだなんて。「信ずれば夢は必ず叶う」とはスーパー歌舞伎「新・三国志」の中のセリフです。

 

そのトークショーの中で右近さんが言っていました。この三代目猿之助スピリッツを後世まで残していくのが私の使命だと。しきりに三代目三代目って言ってましたね。四代目がいるのに。

 

右近さんの演技ってどこか堅苦しくて、あまり好きじゃなかったんですけど、ここ2~3年、実は好きなんですよね。三代目猿之助の姿とどこか重なるところがあって。以前も三代目と重なる部分はありましたが、単にマネてるようにしか見えませんでした。単にわたしの見る目が変わっただけですかね?

 

四代目も確かに先代にそっくりなんですよ。セリフまわしとか声とかですね。特にタチ役のときの声なんてそっくりです。演技も確かに上手いんです。でも、その上手さがちょっと邪魔してるところもある気がするんですよね。

 

三代目猿之助の歌舞伎はすごく好きなので、二十一世紀歌舞伎組の舞台はもっと見たいなと思います。そういえば、この公演では右近さんの娘さんも弘太郎さんの娘さんも観劇されていたようで。お父さんが歌舞伎役者ってどんな感じなんでしょうね?