ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

「サラリーマンリカバリー」の感想

サラリーマン・リカバリー―会社から自分の人生を取り戻せ

サラリーマン・リカバリー」を読みました。サラリーマンとしての生き方指南書といった感じの一冊です。著者は大前研一さんです。

 

考え方を押し付けられているような!?

本書を最後まで読んで感じたことは、「この著者とは一緒に仕事をしたくないな」ということです。ちょっと苦手なタイプです。自分が正しいと思い込んでいて、それを押し付けられているような気がしました。役職を外れたのになにを勘違いしているのか、偉そうにしている人っているじゃないですか。そんな雰囲気を感じました。やたらとマッキンゼーという単語が登場します。マッキンゼー時代の自分がご自慢のようです。

 

いきなりの批判からはじまったわけですが、役立つことも多い一冊です。

 

稼いだお金でなにがしたいの?

「あなたはお金を設けるのはうまいけど、稼いだお金で何をしたいの。なぜそんなに一生懸命、仕事をするの」

 

妻のジャネットにこう聞かれて、やりたい仕事にシフトするようになったということです。なぜ、わざわざ「妻のジャネット」なんですかね。「妻」でいいですよね。奥さんが日本人であったとしても同じような書き方をしたんですかね。「妻の恵子」とかね。

 

それはさておき「お金を稼いでどうしたいか?」というのは、わたしも数年前からよく考えています。せっかく稼いだお金ですから有効に使いたいわけですが、なにが有効なのかよくわからなくて困っています。

 

人生に必要なお金とは

日本の銀行に預けても、わずかな金利しかつかないんで、外貨で運用せよということが書かれています。たしかに日本円だけで運用するのはリスクです。わたしも勉強がてら外貨を持っています。持っていると為替にも興味が持てます。日本円で運用するよりは利率がいいと思います。

 

本書では「人生に必要なお金とは」と題しておきながら、その答えは書かれていません。代わりに「自分は変わり者だ」というアピールが書いてあります。ものを考えるときに机に足をあげる癖があって、それを会社で実行したら怒られた、と。当たり前です。そんな人と一緒に仕事などしたくありません。やはり著者に対し好感はもてません。

 

なんでもできる人間になれ

  • 資格をとりましょう
  • 英語が話せるようになりましょう
  • コンピュータを使いこなせるようになりましょう
  • 財務に関する知識を身につけましょう

 

なんでもできる人間というのは上記のことらしいです。まるで会社の人事課がいうようなことです。アレもコレもできる人間も理想ではありますが、自分の得意分野に特化することもありなのでは?と思います。

 

テレビを見ながら食事をするな

ディナーのときにテレビを見ているのは日本だけなんだそうです。ホントですかね?わたしのうちも確かにそういう習慣はありました。今考えると、あまりいい習慣ではなかったですね。著者は、よその家にお呼ばれしたときにテレビが付いていると勝手に消してしまうそうです。感じ悪いですね。完全に価値観の押し付けですよね。

 

年代別サラリーマンリカバリー

  • 二〇代は、五分野の基礎を学べ

国語、英語、世界史、日本史、人文地理はおもしろくてためになるが、数学、物理、化学はその道に進むことがない限り役に立つことはないといいます。

 

  • 三五歳までに会社を興せるか

興す勇気がないからサラリーマンやってるんですよ。

 

  • 四〇代はリストラの準備に入れ

四〇代になるとリストラ対象だから、それに備えておけということです。リストラを気にしながら仕事をしないといけないのでしょうか?

 

  • 五〇代は、定年後の人生を考えろ

これはわかります。毎日が日曜日なのは逆につらそうなので、今からでもきちんと考えておく必要がありそうですね。

  

資格を取れば一生安泰か?

資格を取った段位で思考停止してしまっている人が多すぎると本書では言っています。わたしもそうです。資格を取ることが目的で、そこがゴールだから、それ以上は先へ進まない。とった資格+αの能力があってこそ、その資格が生きるはずですね。

 

時間というのは作ろうと思えば絶対に作れるものである

時間の使い方がヘタだと、人生は台無しになる。流された生き方をしていたら、どんどん時間がなくなって、必ずあとでしわ寄せが来る。

 

流されている人はとても多いですね。無駄な会議、お付き合いの残業、お付き合いの飲み会。自分軸をしっかり持って、それが自分にとって本当に必要なことかを考える必要があります。必要でなければ、バッサリ切る。本書では、仕事時間をばっさり三分の一に削れと提案しています。三分の一は難しいにしても、そのくらいの気持ちでないと、ばっさりいくことは難しいと思います。

 

目からうろこが落ちただけでは不十分だ

頭で考えただけではなく、行動に移さないと意味がありません。残業にしても人のことは気にせず、さっさと帰ってみてはどうでしょう。とりあえず帰ってみる。意外とまわりの人はなんとも思ってないかもしれません。

 

時間の使い方に関しては、他にもこんな提案がされています。時間に対する考え方は、共感できる部分が多いです。

 

  • 逆算の時間活用 締切から逆算して決める
  • ボトルネックに注意 流された時間の使い方は、あとでしわ寄せがくる
  • 眺める時間、ボケッとしてみよう 忙しいときには見えていなかった事実が見えてくる
  • 超多忙な時代に寝間休暇計画を立てろ

 

問題解決には何が必要なのか?

「事実と論理的思考」だといいます。確かにそうですね。精神論ではありません。やみくもにやっていては、その努力も報われないんです。けどね、それがなかなか通用しない。正論で相手を追い詰めると、逆切れして手に負えなくなります。

 

あまりにも正論をいうと、相手は自分のことを敵とみなします。その敵をやっつけるためにあの手この手で反論してきます。理不尽なことも多いです。ですから、あえて逃げ道を作っておくといいです。自分が用意した逃げ道に相手は逃げ込んでくれるんですから、言うなれば、こちらの懐に自ら飛び込んできたようなものです。うまく丸め込んでしまいましょう。