「30歳から読む論語」の感想
孔子と彼の高弟の言行を弟子達が記録した書物、それが論語です。儒教においては、四書の1つに数えられてるそうです。「30歳から読む論語」の感想です。
正しいことを優先する
人はみな、自分だけは得をしたいと思っているから争いが絶えない。しかし、「これは損なことだが、こちらを選ぶ」と考えれば、争いは起こらない。そして、このほうが長い目で見れば信頼を生んでたくさんの支持を受けるのだ。
少しでも自分に得になるように考える人は多いですね。せこい考えです。欲張らないように気をつけたいものです。
徳を徹底する経営
やめていく社員に経営者はどう対応すべきか。ある人はこうアドバイスしました。
「やめていく社員にきちんと挨拶をしなさい。その上で「ご苦労様でした」と手紙を出したらいかがでしょう?」
辞めてしまった社員にどうしてそこまでと思いながら、手紙を出すと、一番頼りにしていた社員から、もう一度仕事をさせてもらえないかと申し出があったということです。その真摯な姿勢が伝わったのでしょうね。
最近、ブラック企業とかブラックバイトという言葉をよく聞きます。働いているうちはその会社の社員だが、その会社を辞めれば、お客様になる。それがわかっていれば無茶ないことはできないはずです。利益追求のために無茶な働き方をさせた結果、大切な客を失っているわけです。結果として誰も幸せになっていないですね。
威(い)ありて、猛(たけ)からず
一流の人間は権威があっても、それでいて圧迫感を感じさせない。
社会的地位を築くと、なにかといばりたがる人が多いです。うちの会社にもいます。単に威張っている人。そんな人には魅力がないですから人はついてきません。それどころか邪魔者扱いされる。一流ではないから圧迫感しか感じないのです。本書によると、このいばるという行為は劣等感裏返しにすぎないということです。心に余裕がなく傲慢なのだとか。
器を越える人間になれ
信じれば信じられる。疑えば疑われる。奪えば奪われる。憎めば憎まれる。それが道理である。
一度でも裏切られたら人間不信になります。それでも信じ続けたら、バカなお人よしと言われます。それでも信じ続けたら、詐欺の格好の的です。人を信じるというのは難しいです。相手がなにを考えているかなんてわかりませんから。
人に依存せず当てにもしない
「入社という意味がわかっているか?会社がきみの力に頼りたいから採用するのであって、きみが会社に頼ってもらっては困る。ましてや、わたしに頼ろうなどと勘違いしてもらってはダメだ」
耳が痛いです。返す言葉がありません。
悪口を言う人間ほど愚か者だ
自分より年齢が下の人に対する悪口だけは絶対に言うまいと決めています。部下や後輩がきちんと行動できないのは、自分の指導が至らなかったと思っているからです。でも、なかには自分のことを棚にあげて後輩の悪口ばかりを言う人もいます。だったら、きちんと指導すればいいのにって思う。部下の責任をとるのが上司の役目。逃げ回って、悪口ばかりいっている上司なんて必要ないのです。
目下の人にものを訊いて勉強することは恥ではない
わたしもわからないことがあれば、年上だろうが年下だろうが関係なく教えてもらますね。時にあえて知らないふりして聞くこともあります。それによって仕事がスムーズに行くのなら、バカなふりをすることも、重要なことだと思っています。
話を聞いてやらせてみる
まずは聞くこと。大切なことだと思います。人の話をきちんと聞けない人はとても多い。説明の途中なのに、話に割り込んでくる人。一方的に自分の意見だけを話しまくる人。一方通行では会話は成り立ちません。
「地位」だけで人は動かない
地位があれば人は動くと思っている人は多いです。そんな人は無理やり動かそうとします。無理やり動かせば、無理が生じます。地位があっても実績がないと人は動かない。口先だけなら何とでもいえます。子どもや部下は背中を見て育ちます。
人を見て法を説け
求は引っ込み思案だから積極性を促した。由は人の分までやろうとするほどだからちょっと待てと引き留めたのだ。
注意深く人を見ていないと個別の指導は難しいです。叱って伸びるタイプなのか褒めて伸びるタイプなのか。逐一支持しないと動けないタイプか、ある程度自由にさせておいても大丈夫なタイプか。目指すゴールは同じでも、途中のプロセスは人それぞれ。そのプロセスに対し、指示をされると「じゃあ、お前がやれよ?」って反発したくなります。
異質な人間とつき合う
異なった意見や発想を学んでこそ問題は解決しやすくなるものである。
会社の人と飲みに行くよりも、プライベートでの飲み会のほうがだんぜん面白いです。社内で仲のいい人でも「会社の人」というラベルを貼ってしまうと途端に仕事の空気を感じてしまい、なんだか遠慮してしまいます。一方のプライベートの飲み会は全く別の職種の人たちが集まるから面白い。自分の視野が広がります。
世界を狭くするな
生まれついての知恵者は天才だ。学んで知恵を蓄える者は秀才。行き詰っても学ぼうとしない人は最低である。
会社でも仕事ができる人とできない人がいます。どれだけの仕事量をこなしたかよりもその人なりの100%の力で頑張っているか?が重要だと思っています。動かない人間はどれだけ優秀でもダメですね。
想像力が知識や情報を活かす
知識や情報は単独で持っていてもあまり意味がありません。オリジナリティがないからです。仕入れた情報はいわば、すでに誰かが知っている情報です。その情報や知識を自分なりに考えることで、オリジナリティが生まれます。大げさに言えば、そこに自分の価値が生まれるのです。
試練を乗り越える力をもつ
人間の価値というものは好調時にはわからない。苦境に立たされたときにどんな行動を取るか。それがわかるのだ。
「もし先生が大軍を動かすとしたら、どんな人物を頼りにしますか」と子路が訊ねた。「素手で虎に立ち向かったり、歩いて黄河をわたるような命知らずはごめんだ。むしろ臆病なほど注意深く、用意周到に計画を立てる人間を頼りにする」と孔子は答えた。
やってみないとわからないという人がいます。そんな人は失敗しても責任を取りません。反省もしません。反省するくらいなら、最初から用意周到に計画を立てているはずだからです。口だけの人間は勇者ではないということです。
いくつになっても注意すべき三つの欲
若いときはエネルギーに満ち溢れているから、色欲にはすぐに色がついてしまう。壮年にもなると仕事にも自信がつき、出世競争も熾烈になってくる。だから、人とぶつかることがどうしても多くなる。歳を取ったら精神的に枯れるのではなく、物欲に歯止めが利かなくなる。
煩悩がなくならないのなら、そのままおいておく。その代わり、まったく反対の性質をもった清浄なものをもってくれば、煩悩は動化しなくなるといいます。欲しいものがあれば、それに代わるなにかを施す。怒らないようにするためには相手を認め、受け入れる。道理がわからなければ、真理を勉強し、話を聞いて判断する。
消せないものは無理に消さずとも、その代わりに中和するものをもってくればいいといいます。中和するものってなんでしょうね?それを教えて欲しいです。
好きなことに熱中する
理解することより好きになること。好きになることよりは楽しんでやることがいちばんだ。
好きこそものの上手なれです。苦痛を感じたままでは上達しません。好きだからこそ熱中できる。熱中し繰り返しそれを行えば自然と上達できる。誰かを好きになるのに理由なんてないです。その気持ちは理屈などでもないです。好きな人と一緒にいる時間はあっという間です。好きな人に熱中しているからでしょう。
中途半端な知識で勝負するな
知っていることは知っているといい、知らないことは知らないという。それがほんとうに知っているということだ。
知らないことを知らないと言えない人がいます。「多分、〇〇だと思う」なんて曖昧な意見を真に受けると痛い目にあいます。知らないなら知らないとハッキリ言ってもらいたい。聞かれたら何か答えなきゃいけないと思うのだろうか。
逆に「なにがわからないのかがわからない」という人もいます。こういう人にものを教えるのは非常に困難です。どう説明したらいいのかがわからないからです。言葉の意味くらいは自分で勉強して欲しい。そのくらいの努力はして欲しいと思います。
自分の頭で考える
人物の善し悪しは必ず自分の目で確かめなければならない。けっして世間の評判などを鵜呑みにするものではない。
人の評価など当てになりません。使えないと思っていた後輩が実は仕事のできる人間だった。その後輩と気が合わない先輩が「やつは仕事ができない」と言い回っていただけ。なんでそんなことするかなぁ。自分で判断するというのはとても大切なことです。
自分より優れた友人と師匠をもて
友人をつくるには、必ず自分より優れた人を選ぶことだ。
剛直な人、誠実な人、教養のある人を友人に選べば有益である。
得るものがたくさん人とは長く付き合おうと思います。言い換えれば、自分もそういう人間にならないと人からは選ばれない。お互いに高めあっていける関係が理想ですね。
自分の力で荒野を歩く
リストラにあうと人はそれを会社のせいにします。散々利用されたあげく、役にたたなくなったらポイ捨てだと。だったら、ずっと利用されるように自分の付加価値を高める努力をすればいい。役にたたなくなったら捨てられても仕方がない。壊れたテレビをいつまでも大事にしても仕方がない。邪魔なモノは捨てられる運命にある。
失敗を恥じるな、失敗は勲章だ
成長しない人にかぎって、失敗するとごまかそうとするのだ
過ちを犯すことはだれにもある。しかし、その過ちを反省せずに何度も繰り返す。つまり過ちを改めないことがより重大な過ちなのである。
失敗をおそれていてはなにもできません。努力した結果、失敗するのは仕方がないと思います。その失敗を次に活かせるように反省しなければいけません。私のまわりにも同じ過ちを何度も繰り返す人がいます。やはり反省をしないタイプです。それどころか自分の過ちを他人のせいにしてしまうような愚かな人間です。
顔に自信がもてる壮年になれ
壮年の頃になると性格は顔に出ますね。いかにもケチそうな顔をしている人。常に不満を抱えている人は眉間にシワが寄った顔が普通になります。いつも笑顔でいるけど、どこか正確の悪さが出てしまっている人もいます。全く無表情な人もいます。
わたしもいつのころからか笑顔を意識するようになりました。意識しないと笑顔が作れません。普段は仏頂面のはず。なぜ、笑顔を意識するようになったか?他人の振りみて我が振りに気が付いたんです。「アイツ、いつもブスッとしてて感じ悪いな」と思っていたんですけど、ふと我をふりかえった時に「自分も一緒じゃん」と気がつきました。媚びへつらう必要はないと思いますが、無愛想もよくないですね。
どこかで必ず見ている人がいる。だから努力は報われる
自分を絶えず向上させようとしている人はけっして孤立しない。必ず理解者、共鳴者ができる。
人はよく見ています。悪いことはできません。それは悪いことに限らず、いいことも同じです。「自分はいいことをしたアピール」をする人がいますが、それはかえって自分の評価を下げることになると思っています。そのアピールは「恩着せがましさ」にかわります。そんなみっともないことをすべきではないですね。
みんなに教わる姿勢が成功を生む
賢い人を見ては、ああなりたいと思う。そうでない人を見ては、自分はどうかと反省する。
さきほどの仏頂面の話にも共通する話です。自分のことを客観的に判断するのはとても難しいです。自分だけはまともだと思っていますからね。他人であれば客観視することができますから、それを自分にあてはめてみればいい。そのくらいの余裕は欲しいものです。
わたしは「あの人、なんかいいな」と思ったら真似をするようにしています。稽古って師匠を真似ることから始まるんですよね。それがいいか悪いかなんて考えず、とりあえず真似てみる。いずれ善し悪しは自分で判断できるようになります。そうやって人のいい部分だけを吸収していけばと考えています。
不遇のときは、あせらず、あがかず、どんと構えておけ
なにをやってもダメな時があります。よかれと思ってやったことも、全て空周りです。そんな時は、嵐が去るのをじっと待つべきなんでしょうね。嵐には勝てないですからね。
いつやってくるかわからない幸運に備える
「だれも認めてくれない」と嘆くな。認められるだけの能力を身につけようと努めることだ。
いつになっても出世しないで地位もないことを気にするな。だれもが認めざるをえないほどの力と実績を上げることだ。
ゴールにたどり着くには努力だけではなく、運やタイミングも必要です。これは自分ではどうにもならないことが多い。どうにもならないことに対して嘆いているヒマがあったら、自分自信の力を磨くべきなのでしょう。風が自分に向いて吹かないのは、まだ努力が足りてないと考えるべきですかね。
自分を信じて挑戦を続ける人こそ、その努力は報われるのでしょう。