ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

「わるいやつら」の感想 ヤミ金が割にあう国ニッポン

 
わるいやつら (集英社新書)

わるいやつはどこにでもいます。会社にも家の近所にも身内にもいます。他人から見れば、わたし自身がわるいやつに見えているかもしれません。

 

わるいやつら

  • サラ金、ヤミ金
  • 特殊詐欺
  • 整理屋、弁護士
  • 貧困ビジネス
  • 政治

 

サラ金からヤミ金まで

1970年代ころは年利100%近くでした。100万円借りたら、1年後には200万にして返すということですね。ムチャクチャです。それがグレーゾーン金利の時代を経て、今では年利20%が上限だそうです。それでも高いですよね。銀行に金預けても金利は0.03%ですから。金貸しってあくどいですねぇ。

 

金を貸す方はいろいろと手段を考えるようで、そのひとつが偽装質屋と呼ばれるもの。質屋は質屋営業法に基づいているので出資法の上限金利は適用されず、例外的に年109.5%の高金利が容認されているようです。これを悪用して、適当なモノを質に入れさせ高金利で貸付けを行い、強行な取立てを行うということです。

 

 わたしはお金を借りたことがありません。ローンも組んだことがありません。そんな無駄なことはしません。今、手元に10万円がないのに1年後に12万円にして返すなんて無理があると思っていますから。

 

日本のような高金利な国は珍しいようです。フランスでは金利が年10%を超えると暴利として処罰されるのだそうです。ヤミ金に対する人々の目が厳しく、すぐに苦情が行政や警察に殺到し、ヤミ金はすぐに捕まるのだとか。要するに割にあわないということです。ということは日本ではヤミ金は割にあうのでしょう。

 

 振り込め詐欺

お母さん助けて詐欺っていうんでしたっけ?センスないですよね。オレオレ詐欺でいいじゃないですかね。ってか、呼び方とかどうでも良くないですか?呼び方かえたら詐欺犯罪って減るんですか?

 

本書によると、全国化する詐欺犯罪に縦割り組織の警察では対応できなといいます。被害者が大分に住んでいれば大分県警が対応するわけですが、送金先が東京だからといって警視庁が調査してくれるわけではないようです。大分県警が東京まで調査に行かなければいけない。ひとつの事件に対して、全国を飛び回るなんてことは現実的に無理です。組織の壁ってどこも厚いんですね。

 

振り込め詐欺の話もよく聞くようになってずいぶんと経ちますが、なかなかなくなりませんね。てか、どうして引っかかるのか?が不思議でたまらないんです。そういう場面に合うとパニくるんですかね?詐欺のニュースを聞いても、他人事で聞いているからですかね?まさか、自分が!って感じなんですかね?当事者になってみたいことにはわかりませんが、当事者にはなりたくもありません。

 

整理屋と弁護士

整理屋とは多重債務者に「債務を整理して利息を減らしてあげるから、そのために手数料ちょうだいよ?」という、傷口に塩を塗るようなお仕事をされている方です。それを商売にする弁護士も多くいるんだとか。「過払い金が戻ってくる可能性があります!今すぐ〇〇法律事務所へご連絡を!」っていうアレですね。多重債務者を甘い誘い文句でおびき寄せて、食いつくそうとする人がいるわけですよ。どこの世界にもいいやつもいれば、わるいやつもいるんです。

 

貧困ビジネス、政治

無料低額宿泊所をホームレスに連れて行き、生活保護の申請をさせ、その大半を自分のふところに入れてしまう悪徳業者。貧困ビジネスの典型でしょうか。

 

必要もないのに元気なホームレスを入院させ、手術を繰り返し、保険の点数を稼ぐ悪徳病院。最悪の場合は死亡した例もあるようです。立派な病院だからといって全面的に信頼してはいけないですね。

 

他にも生活保護、追い出し屋、家賃保険会社の取立て、脱法ハウス、派遣会社と貧困層をターゲットにしたビジネスはたくさんあるようです。

 

最後にわるいやつらとして、政治のことが紹介されていましたが、悪いことをする政治家がたくさんいるのはよく知っている話なので、ここでは割愛しましょう。