ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

地球家族 世界30か国のふつうの暮らし

地球家族―世界30か国のふつうの暮らし

以前から気になっていた一冊「地球家族」のご紹介です。図書館で借りてみました。初版が1994年なので若干、最近の事情とは違うかもしれませんが、世界中の普通の家族のようすがわかります。日本はラストに紹介されているのですが、圧倒的にモノが多いのが特徴的です。

 

家族の規模と構造

豊かな国と貧しい国の最大の違いは、持ち物の量ではなく、それよりずっと深い問題、つまり家族の規模と構造にある。

 

人類は大きな掛けに突入してしまったのだ。(中略)いちばんわかりやすいのは、今日地球を覆いつくしている企業資本のシステムだ。(中略)絶え間ない取引を仲介しているのはテレビだ。(中略)このトーンには、商品とイメージによる洗脳がある。これは、人々が望んでいるからであって、だれかが強制しているからではない。

 

欲望を満足させたい人々は、また満足することにも抵抗する。人々はほかのだれかが持っているものが欲しいと同時に、自分自身であり続けたいとも思っている。矛盾した企てではある。人々は、資本主義の流れに浮かびながら、自分の足で堅い地面をさがしている。落ち着くための場所は、他人のものではなく自分のものでなければならない。

 

現在の地球にはいたるところに人が住んでいる。(中略)それぞれの家の中には、両親と子ども。世界中には、おそらく、全部で何十億という家族がいて、それぞれの家族が欲望と必要で満たされている。こうした欲望と必要を満たそうとする努力を禁じるのは理不尽なことだ。しかしながら、その欲望のすべてを容易に満たすためには、大変な叡知が必要なのだ。

 

土壁の家

地球家族

地球家族

わたしはマリとかイラクのような土壁っぽい感じの家が好きです。快適とは言えないんでしょうけど。それにイラクに住むのはちょっとどころか躊躇われますね。でも、そんな厳しい環境の中でも普通に生活している人はいるんですよね。

 

戦火の中

地球家族

ボスニアは絵としてはかっこいいですが、写っているのは銃を構える迷彩服の男性に狙撃されて鉄骨がむきだしになっているアパート。いかにも大変な生活だという感じです。

 

素朴感

地球家族

ドイツは日本には負けますが、同様にモノがゴチャゴチャと多い感じです。イギリスはとてもシックな印象。アメリカはいかにもアメリカらしい印象を受けます。

 

タイのこの感じとかすごく好きですが、よく見れば(よく見なくても)床は隙間だらけ。虫とか入ってきそうですし、冬は寒そうですね。あ、でも、タイだから寒くないか。

 

平和な国

地球家族

そして日本なのですが、なんでしょう、このゴチャゴチャ感。でも、まあ、一般的なよくある家庭だと思います。ザ・実家って感じですかね。日本らしいです。この日本の暮らしに憧れている人も多くいるのでしょうね。

 

1994年初版なので、少し古い感じはありますが、世界30カ国の普通の家庭をこうやって一同に見られるというのはとても面白いです。機会があれば手にとってご覧になって下さい。

 


地球家族―世界30か国のふつうの暮らし