ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

すぐに自分のものにしようとする気持ち

飛行機雲

久しぶりに朝ウォーキングをした。真冬の朝はさすがに寒すぎて玄関のドアを開けることができなかった。桜の花が咲く季節でも早朝はまだ寒い。だからだろうか。散歩をしている人もほとんど見かけない。僕には都合がいい。春にはいろんなところで花が咲いているのも僕には都合がいい。気持ちが上向く。そうやって僕が少し気を緩めた瞬間を狙い、野良犬が攻撃心をむき出しにし吠えまくる。

 

「バカ、吠えるんじゃない。野良犬のくせに。」

 

彼らもこんな早朝に人間があるいているなんて思いもせず、急な僕の出現にビックリしたのだろう。だからって吠えることはないじゃないか。僕は君たちの存在に気づきもしなかったんだから。お互いに知らん顔しておこうじゃないか。それがいちばん平和な選択肢だ。

 

海沿いを歩く。漁船が汽笛を鳴らす。今の時期はなにが獲れるのだろうか?ふと空を見上げると、飛行機雲が線を描いている真っ最中だった。朝の曇りのない空に白い飛行機雲。

 

「なかなか絵になるやんけ。」

 

持っていたスマホでパシャリと一枚。いい景色に出会うとついついこうやって形にしようとする。それを自分のものにしようとする。執着。やっぱり僕はミニマリストってやつにはなれそうにないなぁ。

 

それにしてもきれいな空間だ。朝と夜の間の飛行機雲。あれを操縦している人はこんなきれいな景色の中を飛んでいるなんて気がついていないだろう。遠くからボンヤリと空を眺めている僕だから見れた光景だと思う。「ちょっと得したな。」なんて思いがよぎるが、欲張りだと思われるのはいやだから、そんな気持ちはその場で捨てた。

 

少しずつ少しずつ夜は明けてきて一日がはじまろうとする。そんなに急いで朝にならなくてもいいよ。僕はもう少しこの時間を楽しみたいんだ。体が冷える。朝が始まる前に急激に温度が下がるみたい。この急激な寒さは、温かい布団の中から出られないようにして人々が遅刻するのをニヤニヤしながら眺めようとしている誰かの陰謀か。それとも、僕にさっさと家に帰るように仕向け、会社に向かわせてやろうしているのか。

 

「昼休みも歩いてみるか。」

 

最近、眠りが浅いのは体が疲れていないからだろう。疲れさせよう、体力的に。精神的に疲れるのはいやだけど。それは自分ではどうしようもないけど。歩いて、疲れて、いい睡眠を手に入れる。今日の僕は3時間しか眠れなかったから、なにか対策を打たないといけない。とりあえず会議中に寝ないように頑張ろう。