ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

システム管理者の憂鬱 -ない袖は振れない-

イライラ

いやな気持ちを書き出しておこうと思う。こういう気持ちは溜め込むべきじゃないから。

 

「データ入力されていないデータもシステム上に表示されるようにしてください」

 

僕が構築したシステムに対し、実担当者からこんなことを言われた。入力されてないデータを出せ?ない袖をどうやって振れというのだ?

 

無(な)い袖(そで)は振れ◦ない

実際にないものはどうにもしようがない。持っていないものは出せない。

出典:無い袖は振れない(ナイソデハフレナイ)とは - コトバンク

 

システムの運用手順はこうだ。

 

  1. 担当者Aがデータ入力をする
  2. 担当者Bが上記のデータを元に次の処理をする

 

担当者Aが入力をし忘れたかどうかをチェックしたいので入力し忘れのデータもシステム上に出して欲しいという要望だ。なぜそんな無茶な発想になる?

 

「それはちょっと無理ですね」

 

僕はそう答えると、彼女は急に湿り気をおびだし「でも、それがないと無理」「できない」とつぶやき始めた。ジメッとした人間というのは僕は本当に苦手だ。イライラしてくる。

 

ほんのわずかでもアイデアが出そうであれば僕はその案件を持ち帰るようにしている。「できるというお約束できませんが、少し考えさせて下さい」と。

 

今までだって彼女の要望にはできるだけ答えるようにしてきた。僕自身、最初からあきらめるようなことはしたくなかったし、できるだけ実務担当者に負担もかけたくなかった。

 

彼女は「いやだ」とつぶやき、うつむいたまま。自分では考えようともしない。こういうのはお互いにアイデアを出し合い、妥協しながらつくりあげていくものだと思うのだか、彼女にはその気はないみたい。

 

思えば彼女はずっとそうだった。打ち合わせをするたびに同じ要望を何度も出してくる。「それはちょっと難しいですね」とお断りしても、次の打ち合わせでまた同じ要望を出してくるのだ。

 

最初のうちは「一度や二度じゃ理解はできないよな」なんて思っていた。しかし段々と不信感に変わっていった。自分の発言すら覚えていないのか?それとも僕が覚えていないとでも思っているのか?

 

今日一日のデータ入力予定は紙の指示書がまわってくる。もちろん、彼女のもとにも届く。だから、その紙の内容とシステム上のデータを照らし合わせれば、入力漏れのチェックはできるのだ。

 

「紙と照合させれば確認はできるんじゃないですか?」

 

そんな面倒なことはしたくないのだという。でも、彼女の机の上には紙の指示書は山のようにある。それらに手書きでチェックしたり、メモを書き入れたりと現状でも彼女はとてもアナログな仕事をしているのだ。

 

だから、今と同じ方法で入力チェックをすればいいだけのこと。彼女が現状、全ての仕事をパソコン内でこなしているのだったら、彼女の言い分もわかる。だけどもそうではないのだ。

 

彼女とこの件に関して直接話し合いをしても水掛け論になるだけだから、僕は外堀から埋めていこうと思っている。そして、僕はこのイライラを彼女に悟られることなくスムーズにシステム移行ができればと思っている。