「スモールハウス」を読んでの感想
スモールハウス自体の紹介本ではない。なぜスモールハウスなのか。小さい家に住むことにどんな意味があるのか。スモールハウスに対する考え方が記載されている一冊。読み物として面白いです。
第一章 小さくて家らしい家
第二章 物を持たない暮らし
第三章 簡単で大胆なエコロジー
第四章 自由を得るのにお金はいらない
第五章 誰でも手に入るローカルユートピア
第六章 質素な生活と高度な思索
こういう系の本って「ステキな暮らし」「豊かな暮らし」なんてことを前面に出す傾向があるけど、本書はそんなキーワードとは無縁。
各章で紹介されている事例は全て海外の事例。日本でスモールハウスはまだあまり見かけないですよね。狭い土地に無理やり家を建てて結果的に極小住宅になった話はよく聞きますが、最初からスモールな家を建てようとした事例はあまり聞かない。
第一章はスモールハウスの先人ともいえる人の家の紹介。家の大きさは10平米で駐車場の車一台分のスペースよりも小さいといいます。いらないスペースを引き算していったら、結果そうなったのだとか。
第二章は物を持たない暮らしの紹介。日本でも少し前に話題になったミニマリストのお話しです。物を持たなければ家も小さくていいよねということ。
第三章はエコロジー視点のお話。大きい家を持とうとすれば、環境にも負荷がかかる。たくさんの木が必要だし、土地も必要。それによって多くの二酸化炭素や廃棄物が出る。だからみんなスモールでいいんだという考え。
第四章はお金の話。小さく暮らせば経済的。資本や経済にまどわされることもない。見得を張って大きく暮らすよりも小さい暮らしのほうがしあわせさという考え。
第五章はスモールハウスであれば誰でも手にはいるよというお話。アメリカではセルフビルドで家を建てる人が多いんだとか。試行錯誤でいいからやってみてごらん。意外と自分でもできちゃうからというススメ。
第六章は精神面のお話。シンプルを極めるために何度も引越しを繰り返してきた女性。その理由は「意図的に、意図的なものを排除したかったから」らしい。禅問答ですね。
最近、文庫本が出たようです。買おうかしら。