「無印良品は仕組みが9割」を読んでの感想
僕は仕事柄マニュアルを作ることは多い。 作ること自体はきらいではない。しかし、本当に役に立つマニュアルが作れているのかといえば自分でも疑問が残る。
ちなみに僕の仕事は社内システムエンジニア。自分でシステムを構築してはそのマニュアルを作成する。システムに対するスキルはひとそれぞれ。誰もがわかりやすいマニュアルを作るというのはとても難しい。
- シンプルに仕事ができる仕組みがあれば、ムダな作業がなくなります
- 情報を共有する仕組みがあれば、仕事にスピードが生まれます
- 経験と勘を蓄積する仕組みがあれば、人材を流動的に活用できます
- 残業が許されない仕組みがあれば、自然と生産性が上がります
無印良品はこの仕組みを構築しているのだといいます。
マニュアルは当たり前だと思えることも具体的に全て盛り込むこと。問題の構造を見つけたら、それを新たな仕組みに置き換えること。業績が悪くなれば、トップを変える、リストラをするということではダメ。その仕組みを変えないと。
その仕組みを生かすためには、その仕組みに納得してもらうことが大切。
マニュアルは「仕事の最高到達点」常に改善を図り更新する必要がある。これがなかなか難しい。
冒頭でも書いたが、「誰にでもわかりやすいマニュアル」を作るのは非常に難しい。これがベストと決めた仕事のやり方をマニュアル化しても、個人レベルで考えれば、それが逆に足手まといになる場合もあるのではないだろうか。その考え方を改めるべし!なんて言われそうだけど。
第3章の「会社を強くするためのシンプルで簡単なこと」の内容には特に強く共感を覚えた。
- あいさつをする
- 部長も社長も「さん付け」で呼ぶ
- 提案書のハンコは「三つまで」
- 反対勢力はゆでガエル状態で染めていく
- 部下のモチベーションを上げるひとつの方法
- コンサルタントには組織は立て直せない
- 迷ったときは「難しいほうを選ぶ」
- 性格を変える、ではなく、行動を変える
- 1.はコミュニケーションの問題。あいさつできっかけを作る。
- 2.は僕も実践していること。壁を作らないために。
- 僕の会社でもやたらと多くのハンコが必要。そのわりにはめくら印。意味がない。
- 反対勢力は言葉を交わせば交わすほど反対してくる。知らない間に環境を変えていくことも有効な方法。
- 5.はやりがいとコミュニケーションが必要だということ。やりがいのない仕事は面白くもなんともない。
- 僕の会社でもなにかとコンサルを導入したがる。成果を金で買おうとしている。が、結局はなんの成果も得られないのは、この記事にも書いた通り。
- 難しいほうにボトルネックがある。それを解決しないと根本的な解決にならない。
- 人の性格というのは簡単には変えられない。精神論ではなく、まず行動。そのうち変わる。
第4章「この仕組みで生産性を3倍にする」も面白いです。
- 原因が見えた途端に問題の八割は解決する
- 仕事のデッドラインを見える化する
- 十八時三十分退社を徹底する理由
- なぜ、残業をなくせないのか
- 提案書はA4一枚
- 形だけの会議をなくそう
おおむね「無駄なことはなくそう」という章です。
こういう本は読めば「なるほど」と思うけど、実践するのが難しい。気持ちがそれを邪魔する。