「TOKYO 0円ハウス0円生活」を読んでの感想
この本のはじまりはホームレスの話からはじまります。厳密には家を持っているのでホームレスなんかじゃないんだけど、隅田川沿いに勝手に家を建ててしまっているので住所不定という意味でのホームレス。
この本が書かれた2007年時点では国土交通省は見て見ぬふりをしていたみたい。月に一度だけ国交省の見回りがくる。そのタイミングでそこに家があったら、それはゴミとして処分される。
見回りは事前に通達されていて、家は持ち主一時的に撤去する。要するに分解可能、移動可能な家ってわけ。それで見回りが終われば、ふたたびそこに家を設置する。
月に一度、家全体を解体して大掃除するようなものだという。まあ、大変そう。実際、大変みたいで、これが苦で仕方がなく国が用意した公営住宅に住む人もいるそう。
本のタイトルにもある0円ハウスっていうのは、読んで字のごとくで家を作るのに一円もお金がかかっていないってこと。全て拾い物、貰い物でできているそう。それくらいにモノを捨てる人(=無駄にする人)が多いってこと。
なんて人ごとのように言ってるけど、僕も「使えるけど使わないモノ」は容赦なく捨ててしまっているタイプ。それが嫌だから、不要なモノは買わないようにしているけど、それでも不要物ってのは発生しますね。
隅田川沿いの家ときくと段ボールハウス的なものを想像するかと思いますが、スモールではあるけど、ちゃんとした家みたい。
こんな感じ。手に入れたものは二度と手に入らないかもしれないから、大切に使う。ビニル袋一枚だって洗って何度も再利用する。
僕には無理だなぁと感じたんだけど、ビニル袋を洗うくらいだったら僕にもできるはず。ではなぜ、無理だと感じたのか。「面倒だから」ですね。無理なんじゃなくて面倒だからやりたくない。この気持ちがある限りモノは増えますね。
第1章 総工費0円の家
第2章 0円生活の方法
第3章 ブルーの民家
第4章 建築しない建築
第5章 路上の家の調査
第6章 理想の家の調査
あとはこんな感じです。本のタイトルからして「ビンボー節約生活」みたいな話かと思っていましたが、そうではないです。住み方、家そのもののありかたについて考えさせられる本です。
一度はこういう生活をしてみたいと思いますが、きっと実現はしないと思う。理想だと思う部分もあるけど、現実的ではないと思う。このギャップを埋める必要があるのか、いつか埋まるのか。
断捨離本やミニマリスト本を読んで「なんか違うんだよな」と思っている人は読んでみたらいいんじゃないでしょうか?いろいろと面白かった一冊です。