カンパしてくれとLINEでいわれたんだが・・・
弟の嫁からLINEがきた。一年に一度あるかないかの連絡。久しぶりに気が滅入った。子どもが部活で優勝して全国大会に行くから、カンパしてくれというのだ。
数年ぶりにきたLINEがその内容。厚かましいというか図々しいというか。彼女は昔からそんなところがあった。
母が元気だったころのこと。
元気といってもすでにガンが発覚していて、病院通いをするような身だった。病院で点滴をすれば、その日は体調が悪く、うちで寝ているような状態だった。
「子どものお迎えをお願いできますか?」
そんな母の状態などお構いなしに彼女は母にメールをした。母はさすがに断ったらしい。すると、その返事は夜中に届いた。
「わかりました」
一言メールを見て「なんだかねぇ」と母とふたりであきれた。
こどもの幼稚園というのは彼女が住んでいるマンションの目と鼻の先にあり、歩いてでも行ける。母が車を運転して迎えに行こうとすれば、20分はかかる。
どうしてそんなに図々しくできるんだろう。僕の親なんだぞ、もう少し気遣ってくれよ。
そんな気持ちが今回のLINEで再び蘇ってきた。
彼女は子どものチームが優勝したということで気持ちが舞い上がっているのかもしれない。「アズさんも一緒にお祝いして!」という気持ちだったのかもしれない。
だけども、僕は今、遠方で暮らしているから、その試合を見に行けるわけでもないし、ましてや顔を合わせる機会もない。次に顔を合わせるころには試合の結果はとっくに出ているだろう。
「カンパしてもらえるんだったら、お金は立て替えておきます」
立て替えておく、、、、立て替えておく、、、次に会うのはいつともわからないのに。全てが終わったころに僕はお金だけを彼女に渡さなければいけないんだろうか。なんのために・・・。
別にお金を出したくないわけではない。かわいい甥のことだから応援してあげたい気持ちはある。だけども、なんか違う。なにかが違うんだ。
僕は今、地元を離れているので、お盆の供養等の件を弟に任せていた。弟には余計な出費をさせないようにとお布施を事前に用意し、花代も多めに渡していた。ことを終えたあとには、はじめてお中元も送った。
そのお礼もなしにカンパのお願いか。
別にお礼を言ってもらいたくてお中元を贈ったわけではない。気持ちが伝わればそれでいいと思っていた。
そう、大切なのは気持ち。
その気持ちが彼女からは伝わってことない。
弟とはうまくっているつもりだ。きちんとお礼も言えるやつだし、常識があると僕は思っている。自慢の弟だと思っている。だけどな・・・。
LINEはとりあえず無視することに決めた。既読無視。弟家族とも一線を引いたほうがいいのだろうか。迷っている。
そんな大人げないことはせず、もう少し真摯な対応をすべきだろうか。カンパという形で甥を応援してあげるべきだろうか。でも、僕の感情はそれを明らかに拒否している。