ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

2018年8月納涼歌舞伎(歌舞伎座)をみての感想

八月納涼歌舞伎

毎年八月の歌舞伎座は納涼歌舞伎と銘打っての興行。通常は昼の部、夜の部の二部構成だけど、八月に限っては三部構成。人気なのが、第二部の東海道中膝栗毛で今年でシリーズ三作目。

 

僕は第一部と第二部をみてきました。総じてわかりやすい内容で歌舞伎初心者にもやさしい演目となっています。

 

第一部 花魁草

江戸の火事から逃げ延びた若手の役者と年上女郎のお蝶。ふたりは縁あって一緒に暮しはじめます。お互いに想いを寄せあっているふたりですが、「この身で汚しては・・・」とお蝶は一緒になることをあきらめます。

 

立派な役者になって、ふたりが住んでいた家に再び戻ってくるもお蝶に会うことはできず・・・。

 

ラストの橋の上のシーンが印象的。さっと人がはけたときに、そこに一人たたずむお蝶。切ないですねぇ。

 

第一部 龍虎

幸四郎と染五郎ふたりの親子共演です。連獅子的な踊り。染五郎はけっして上手ではないのですが、懸命に踊ります。その姿にぞくっときた。

 

まだ体力がついてないのでしょう。途中でふらつく場面もありました。毛振りだけでも相当きついと思う。頑張っている姿ってかっこいいと13歳の彼をみて思いました。

 

第一部 心中月夜星野屋

中車って三枚目役者になっちゃったんですかね。彼が登場しただけで笑いが起きる。

 

「虫が好かないお人ねぇ」

 

「虫が好かないってね、わたしは虫が大好きなんだよ!」

 

歌舞伎のネタにしたいがために虫好きを公言したんじゃないかってくらい、まいど中車の虫好きネタが出てきます。

 

中車と獅童、七之助がつくりだす世界は爆笑。獅童はどこまでが芝居でどこからがアドリブなのかわかんないし。七之助はちょっといけすかない女性を演じさせたら超おもしろいし。

 

第二部 東海道中膝栗毛 再伊勢参!?YJKT

シリーズ三作目の今回は猿之助演じる喜多八の葬式のシーンからはじまります。どこがで生き返るのか、それとも実は生きていたって展開かと思いきや最後まで死んだまま。幽霊となって幸四郎演じる弥次郎兵衛とふたたびお伊勢参りに出かけます。とはいっても、幽霊だからその存在には気づかれないんだけど。

 

今回も梵太郎と政之助は同行。染五郎と團子が演じます。ってか、團子ちゃん、大きくなってる。声変わりもしてる。一年前に聞いた声と全然違う。「いやぁ、大きくなったわねぇ」と親戚のおばちゃんの如くみていました。

 

一作目、二作目に比べると少しおとなしめな内容でしたが、楽しめました。最後には四人宙乗りもあります。

 

 第二部 雨乞其角

扇雀さんを中心とした雨乞いの踊り。しっとりと上品に第二部を締めます。