ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

遺産争い

遺産争い

いとこから電話があった。どうやら伯父さんが死にかけているらしい。何度も入退院を繰り返していると。その話は何年も前から聞いていたので、ついに死んだかと思ったのだけど、まだ生きているらしい。

 

結局は遺産相続の話だった。伯父さんが生きているうちにおばあちゃんの家をどうするか?を話し合いたいのだと。権利は伯父と僕の母にある。母はもう亡くなっているので僕ら兄弟にその権利はある。

 

おばあちゃん家にはいとこが住んでいる。おばあちゃんが亡くなる直前に伯父たちがそこに住み始め、結局居ついてしまった。あまり面白くもない状態ではあったが、家土地自体は二束三文でたいした金にもならないし、もめるのも嫌だったので見て見ぬふりをしていた。

 

今現在、おばあちゃん家は老朽化が激しく雨漏りがひどいらしい。直すのも金がかかるし、金をかけて直した瞬間に「出ていけ」と言われても困るので、いとこ自身が死ぬまで住んでいいいということを約束しろという話だった。

 

虫がよすぎやしないか。僕ら兄弟に半分権利がある家に勝手に住んでおいて、今の状態ですら歩み寄っている状態なのに、更に居住権まで主張してくるだなんて。実質、その家をくれといっているようなものだろう?いやなら出ていけばいいだけの話だ。

 

別に僕ら兄弟はその家を欲しいとは思っていない。お金のことなどどうでもいい。住みたければ住めばいい。でも「いつまで住んでいいいか」などの確約はできない。3~4年先くらいまでなら確約もできるが、それから先のことなんてどうともいえない。

 

裁判沙汰になったら余計な金が出ていくだけだから、無駄な争いはせずに穏便にことを進めたいと言いながら、確約できないことを伝えると「じゃあ、こちらが裁判をするといったらどうするか?」などと聞いてくる。いったいどうしたいのか。

 

一方的な電話。「裁判」「お金」「争い」そんなキーワードで話を進める。争いたくはないといいながら迫ってくる。

 

実はおばあちゃんが亡くなったタイミングで、今回の件を話し合おうとしたが、いとこ側に拒否られたという経緯がある。いずれこんな面倒ごとになることはわかっていたので、そのタイミングでケリをつけたかったのだ。だが話し合いの場は持たれずに今日まできた。

 

そうこうしている間に家の老朽化は進み、伯父の先はみえはじめた。遺産相続がようやく現実味を帯びてきたのかもしれない。だけども僕ら兄弟はとっくに冷めていた。おばあちゃん家に勝手に住んでも構わないから面倒ごとを起こしてくれるなと考えていた。

 

数年経って気持ちもようやく落ち着いた矢先の今回の件だった。問題を先延ばしにしてもいいことなどないのはわかる。でも僕らにとっては今じゃないんだ。そっちの都合に合わせる気などない。どうか今はそっとしておいてくれないか。

 

たいした遺産でもないのに争わないといけないだなんて。どうにか回避できないもだろうか。

 

僕にとってのメリットはただひとつ。こうやってブログのネタにできること。