おかえり、この部屋
久しぶりに帰ってきた。僕の家。あたりはすでに真っ暗で庭の様子などわからないが、荒れ果てているに違いない。しばらくは週末ごとに庭掃除に明け暮れると思う。
家の中はなんだかカビっぽい。あぁ、この家には誰も住んでいないんだなぁって感じ。家なんてものはほんの数ヶ月だけ誰も住まないと古びてしまう。まずはこのカビ臭さをどうにかしないと。
今晩寝る予定の僕のベッドもなんだか湿っぽい。シーツも枕カバーもカビっぽい気がする。そうはいっても夜中に洗濯するわけにもいかない。乾燥機なんてもっていなから夜中にシーツを乾かす術がない。
しかたがないので、そのまま寝るが、なんだか気になって眠れない。だけど、疲れているのかそのうち寝てしまう。
昨日までの夜明けよりもずいぶん遅くに夜が明けて、庭を見回すと案の定。荒れ放題に荒れている。あーあ、これに手を付けなきゃならんのか。いい運動になる。
冷蔵庫を開けるとカビだらけ。もちろん食材などなにも入っていないのに。きれいに保てていたのは低温のおかげだったのか。
床を磨く。服はすべて選択する。シーツも枕カバーも。布団を干す。座布団も干す。枕も干す。食器やなべもすべて洗う。シンクも磨く。もちろん庭掃除もする。
向こうから送った荷物が届く。段ボールひとつだけ。それらを箱から出し、広げると部屋がいっきにわーってなる。さて、定位置に戻していこう。
車がないので歩いてスーパーまで行かないといけない。歩いて15分くらい。重い食材を持って帰らなきゃいけない。こんな日に限って夏日だ。
けっこう疲れた一日。