ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

映画「億男」をみての感想、お金について考える

億男

借金を抱えた一男。宝くじが当選し三億円を手に入れた。しかし親友の九十九はその金を持って行方をくらませてしまう。はたして彼の行方は?三億円はどこに?

 

ブルータスで連載されていた当時に美容室でよく読んでいました。とはいってもモロッコに行ったあたりまでしか読んでなかったんだけど。

 


億男 (文春文庫)

 

お金とはなにか?がテーマの映画です。難しいですね。より多くのお金を手に入れようと必死な人はたくさんいる。そのために他人を騙したり、身を粉にして働いたり。

 

派手なテーマじゃないし、とくに感動する場面とかもないんだけど、お金のことを考えさせられるいい映画だと思います。

 

ある人が実際にどんな人であるかを知りたければ、その人がお金をなくした時にどう振舞うかに注目するがよい

 

九十九が起こした行動はこれなのでしょうね。ニューイングランドのことわざなのだそうです。

 

僕は果たしてどういう行動をとるだろうか?宝くじのようにどこからともなく沸いて出たお金がなくなったときに。確かにそれは僕のものになった。が、目の前から消えた。もともとそんなお金なんて存在しなかったんだと割り切れるだろうか?

 

僕が考えるお金とは「不安を和らげてくれるもの」だと思います。

 

旅行中に一男がめまいを起こし店の商品を壊してしまう場面があります。一男は気が付けばベッドの中。友達の九十九が助けてくれたのです。

 

「店の商品はどうしたのか?」と心配する一男。高額の賠償金を支払い和解したのだといいます。「どうしてそんなお金を払ったんだ?」「一男を早く病院に連れて行きたかったから。そのためには支払うしかなかった。」高額なお金を支払ってでも友達を助けたかったんですね。九十九にとってはそれが最大の不安で、お金など二の次だった。

 

お金がなければ不安です。食べるものを手に入れることができないし、住むところも確保できないから。

 

衣食住が安定した生活を送れば、それが当たり前となり、次第に足りないものが欲しくなります。当たり前って退屈ですからね。

 

ある程度のことはお金で解決できます。でも、できないこともあります。できないことってなんでしょう?

 

お金は大切にしなければいけません。お金は信用そのものです。信用がなくなれば人は手のひらを返します。

 

誰も寄りつかなくなり、明日がどうなるかもわからない。とても不安ですね。だからお金が欲しい。お金があれば明日に繋いで生きていけます。

 

僕の気持ちが安定しているのはお金の力が大きいと思う。実際、お金へのこだわりは以前ほどはありません。これは現金を持たない生活をしているのも大きく影響しているかもしれない。

 

給料明細はオンラインで確認するだけだし、活用している銀行もほぼネット銀行。ネットで買い物をすれば現金を支払っている感覚は皆無。口座って書かれているところに表示されてる数字が変わるだけ。少し増えたり少し減ったり。

 

お金のことを気にしないで暮らせる僕はしあわせなのだと思う。気持ちが安定してるって意味で。でも、友達が僕のお金を持って行方をくらましたら、きっと僕は怒り狂ってなんとかしてそれを取り戻そうとするだろう。

 

お金に関してはそんな程度の僕なのです。

 


億男 オリジナル・サウンドトラック