ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

「モンスターマザー」を読んでの感想

モンスターマザー

2005年、長野県丸子高校で起きたイジメにより一年生の男子が自殺した。学校側はイジメの事実を否定した。自殺した男子の遺書が残されているのにも関わらず。記者会見で薄笑いすら浮かべる校長。しかし、この事件はとんでもないモンスターマザーによって作られたものだった。

 

数日前に同著者の「でっちあげ」を読んで興味を持ったので、この本も手に取ってみました。

 

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「でっちあげ」の方は前半部分、かなりムカムカしながら読んでいました(そのくらい巧妙な悪意だった)が、本書はそこまでではありませんでした。それは最初からあきらかにこのモンスターマザーの異常さが伝わってきたからです。

 

冒頭に書いた記者会見での校長の薄笑いというのも、ほんの一瞬の表情を切り取って、それを「イジメにより自殺があった学校の校長」の表情として報道したマスコミによる悪意によるものでした。

 

本当にマスコミっていうのはこわいと思う。校長が薄笑いをしながら記者会見を開いたと思わせれば、世間の怒りはそこに集中する。視聴率は上がる。よくやったと褒められる。

 

そして校長は殺人罪で告訴されます。もうね、常軌を逸してる。もちろん、これに加担した弁護士もいるのです。この弁護士も常軌を逸してる。モンスターマザーの言うことを100%信用し、事実関係を確認しないままに、ありもしないことで人を殺人罪で告訴するのですから。このおかしな弁護士は最終的には懲戒処分となります。

 

このモンスターマザーの存在は地元では有名でした。また自殺した子どもに対するモンスターぶりも有名でした。何度か結婚もしているようですが、結婚したとたんに態度は急変し、夫に罵声を浴びせ暴力をふるい、命の危険を感じた夫はみな逃げているようです。

 

イジメをしていたとされる先輩もまた被害者でした。彼らはバレーボール部に所属していました。そこで上級生が下級生に対し、プラスチックハンマーで頭をたたきます。これをイジメというか指導というか。

 

僕的には後者ですね。こんなことでいちいちイジメだ暴力だと騒いでいたら人と関わることはできません。これを逆手に過剰に反撃してくるほうがよほど悪質だと思う。

 

自分の中での常識が通用しない人はいます。僕の常識はある人にとっては非常識。他人を徹底的に非難し、自分が優位にたった気でいる人もいます。そんな人とは関わりをもたない。何か言われてもグッと我慢する。それが最大の防御なのです。挑発にのったら相手の思うつぼです。

 


モンスターマザー 丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い