ミニマム コラム

執着せず。最低限のモノで。日常の共感。

踏んだり蹴ったり戻ったり

ぎっくり腰

先週の日曜日、腰を痛めた。なんてことはない。ローテーブルに手をのばそうと、中途半端な体勢をとったときにグキッ!っとやってしまったのだ。ぎっくり腰である。

 

思えば、八年前もぎっくり腰をやった。どうして、そんな正確な年数を覚えているかって?それは母親が亡くなる直前の出来事だったからだ。

 

母は病気で寝込んでいた。治療のための点滴はなにをするにも億劫になるくらいにしんどかったようで。だから僕はぎっくり腰になっている場合ではなかったのだ。

 

そのときは自転車通勤をしていた。仕事が終わって自転車にに乗ろうと中途半端な体勢をとった。そのときに腰を痛めたのだが、自転車を置いて帰るわけにもいかない。無理をして自宅まで自転車で帰った。

 

自宅に帰り「あぁ、痛てて」と横になったが最後。起き上がれなくなった。そんな僕を母は心配してくれた。普段は寝込んでいる母が僕のためにご飯を作ってくれて、部屋まで運んできてくれた。

 

母に病院に行くことを勧められたが、病院にいっても、なにをしてくれるわけでもない。それよりも家で寝ていたい。けど、母の押しに負けて僕は病院に行った。母が運転してくれた車に乗って。

 

僕がぎっくり腰で寝込んでいたのは一週間くらいだったと思うけど、その間、母は自分の病気のことなど忘れてしまったかのように元気だった。

 

それから三か月後に母は他界した。

 

あぁ、僕は今ひとり暮らしなんだ。頼りになるのはグーグル先生のみ。さっそくググると、ぎっくり腰の場合は安静になどせず、できるだけ体を動かしたほうがいいとのこと。昔の常識は今の非常識なのだ。

 

僕は懸命に体を動かした。前回のぎっくり腰のときもそうだったんだけど、ぎっくり腰になると完全に背中が固まる。これは僕だけだろうか?前屈が冗談みたいにできなくなる。全く屈めないのだ。

 

だからこそストレッチは行うべき。背中が硬いと全体のバランスがうまくとれなくなり、へんなところに力が入って、ますます腰が悪くなる。お尻も完全に硬い。こんなのお尻じゃないってくらいに。

 

座っているとつらいので家の中でも立っている。立って本を読む。家の中で立ち読みをする人間などそういないだろう。

 

寝る時もつらい。じっとしていればどういってことないんだけど寝返りがつらい。寝返りができないから目が覚めて、無理やり寝返りを打って、また寝る。そして、また寝返りのために目が覚める。この繰り返しで睡眠不足。

 

会社の昼休みはウォーキングで足腰を動かす。デスクワークで固まった足腰をほぐす。デスクワークでじっと座っている間はどうってことないけど、立ち上がった瞬間がとてもつらい。腰を押さえて「あいたたたた」といっている自分が情けない。

 

家に帰ったらすぐにストレッチ。風呂上がりにストレッチ。朝、目が覚めてストレッチ。その甲斐あって、3日目には8割方治っていた。4日目はさいわいにも祝日で仕事は休みだったので、整体に行ったら次の日には完治した。

 

ぎっくり腰をたった4日で完治させるだなんて、なかなかやるじゃないか、自分。

 

でも、その間には別のうんざりな出来事もあった。差し歯が取れた。でも、すぐに歯医者にいってつけてもらった。

 

そしたら、その2日後。別の歯のかぶせものだ取れた。えーー!?こんなことってあるの?

 

踏んだり蹴ったりの一週間だったね。