夢という名のガラクタ
初売りとかおめでたい気持ちっていうのは物欲を加速させるんですかね。それとも元日休業の反動なのですかね。1月2日のデパートはどこも激込みでしたね。
メンズ館で服でも見ようかと足を踏み入れたのですが、そそくさと退散してきました。いつもは閑散としているフロアが人、人、人。初売りで安いのだかもわからない。福袋の存在も確認していない。
いつの頃からでしょうか。福袋に興味を示さなくなりましたね。あ、いや、僕、実は一度も自分で福袋を買ったことがないかも。
僕が小さい頃にですね、まわりの大人たちはこぞって福袋を買いに行っていました。福袋というよりも福箱ですわ。ダンボールになにかがいっぱい詰め込まれているの。
「ガラクタばっかやんか」
おじいちゃんのその一言が今でも脳裏に焼き付いているんですね。それでも大人たちは毎年のように福袋を買っていました。中身は夢という名のガラクタだっていうことはわかっていたはずなのに。
宝くじと同じような感覚なのですかね。ひょっとするとという淡い気持ち。そんな人の心理をうまく利用して店側は儲けているのですね。まあ、お金のある時代でしたから、それはそれでよかったのでしょう。その後、大人たちはお金で苦労するはめになるとは考えもしなかったのでしょう。
チョコレートの福袋だったら欲しいかなっていう考えが頭をよぎりました。そしてネットで調べました。僕が欲しかったチョコレート屋さんの福袋はなんと11月頃から売り出されるらしい。そして秒で売り切れるらしい。えー、そんなん反則ですやん。初売りじゃなくて年末在庫一斉セールですやん。
いってしまえば福袋も在庫処分ですしね。それを福が入っている袋として売りつける。買った方は「5000円分の商品が3000円で買えてお得だわ!」ってしあわせな気分になるし、売った方は「在庫が処分できてよかった!」とうれしい気分になる。両者がしあわせな気分になるのですから、それはいいことですね。僕はしあわせにはなれそうもないから買わないですけど。