知らなくても問題はない
僕は社内SEです。自分でシステム案を考えては構築する。この職場はアナログ文化です。システムエンジニアは僕ひとり。口を挟んでくる人はほぼいません。口を挟めないんだと思う。
システムといっても、全然たいしたことはやってなくて、OracleとVBAでデータの入力、検索を行えるようなものを作っています。だから見た目はExcelなのね。
「さっきから開こうと思っても読み取り専用になっちゃって使えないんですよね」
あぁ、いやいや、読み取り専用でもデータ登録も検索もできますんで大丈夫ですよと伝えるとなんだか不思議そう。
Excelだと最後に上書き保存しないと保存されないですよね?なんていうから、それも必要ないですよと伝えるとやはり不思議そうな顔をする。
Oracleでデータベース化するということはデータをDBサーバに送っているということで、それをどうやったらうまく伝えることができるのか。
「テレビってボタンを押すと、そこに人が写ってたりしますよね?でも、このテレビの中に人がいるわけじゃないですよね?」
という説明が真っ先に思い浮かんだのだが、いかにも馬鹿にしているようで却下。
「入力画面としてたまたまExcelを使っているだけなんですよ。データ自体は別の場所にあるサーバに送っています」
たまたまExcelを使っているなんていわれてもピンとこないだろう。
世の中のことの大半はわからずにそれを使っているのだと思う。わからなくても別に問題はない。使えればそれでいいのだ。
僕なんて未だに鉄のかたまりが空を飛ぶことが不思議でならないし、水の上に浮かんでいることが不思議でならない。